とうちゃん亭

アメリカで暮らすとうちゃんの日記

本枯れ節の旨味

スキーに行っている間に日本から注文したものが届いていた。それは鰹削り器、かつお節、そしてアジの煮干し。前から削り機が欲しいと思っていたのだが、つい最近、海外にも郵送しますと言う出汁屋さんをインターネットで見つけた。かつお節は本枯れ節と言って、スモークした鰹にさらにカビをふりかけて水分を吸わせたもの。カビ付けは三回行っているらしい。最近糠漬けやかつお節に興味を持ってきたのは、実はかあちゃんの父ちゃんがくれた宮本輝作の発酵食品の話が沢山出てくる小説を読んだからなのだ。特にその小説に出てきた本枯れ節が忘れられずに日本に帰国したら絶対買ってこようと思っていたところ、なんとアメリカからでもインターネットで買えるとわかって早速注文したもの。

とても楽しみにしていたので仕事から帰ってきて早速かつお節を削り始めた。

小さい頃ばあちゃんが削っているのを見ていてちょっとやらせてもらったのをかすかに覚えている程度。親切な削り方の説明が写真入りでついてきたのだが、それでも削るのは結構難しい。しかも最初のうちは粉々している。これは少し修行が必要だ。

削っているときの香がたまらなく良い。なんとか一回分の出汁がとれるぐらい削ってさっそく出汁をとった。

そのものを楽しんでみたかったのでこの出汁に醤油をたらしただけのお吸い物にしてみた。これが信じられないぐらいリッチな風味と出汁の旨味。今まで知っていた鰹出汁の常識がくつがえったと言っても過言でないぐらいの衝撃的なうまさだった。上の息子が飲んでみて、”これはうまい。”と言っていたし、下の息子は一気に飲み干していた。

今日は私がかつお節にかまけていたので、おかずのエビチリの下準備はかあちゃんがしてくれた。私は最後に調理するだけ。

後は香菜をたっぷり入れたオムレツと糠漬け。セロリの糠漬けを試してみたのだがこれが何とも言えないうまさだった。大根の糠漬けにはあまっていたかつお節をふりかけていただいた。糠漬けと鰹の旨味が相まって何倍にもおいしくなった気がする。

発酵食品バンザイという感じ。