とうちゃん亭

アメリカで暮らすとうちゃんの日記

友人カップルに誘われて我が街一番と言えるレストランの特別ディナーに行く。土曜日もかあちゃんと二人でディナーに行ったのでちょっと息子達に悪いなとは思いつつ、かなり喜んで出かける。このレストランは去年グルメマガジンで全米TOP50レストランに選ばれた。それにしてもこのディナーがとてもすばらしかった。企画としてはシーズン最後のアスパラを楽しもうということでデザートも含めてすべてのコースにアスパラガスが使われていた。そしてそのアスパラの生産者を囲んでのディナー。名前を知らなかったのでレストランに行くまで知らなかったのだが、私がいつもホワイトアスパラを買っている農家のおっちゃんだった。私の見る目も悪くないなとちょっと自己満足。友人カップルが私達の左側に座り、右側には養豚業を営む老夫婦。この方達がとてもいい人々でディナーがさらにすばらしくなった。
アミューズから始まり最後の肉までそれぞれのコースに違ったワインが少しずつつくというのも良かった。
アミューズはアスパラを手づくりのグース生ハムで巻いて、地元のチーズを添えたもの。ワインはスパークリングワイン。この生ハムが口の中でトロリととける。すばらしい。
コース1はニョッキ。ニョッキ自体もすばらしいのだが、グリーンのアスパラとホワイトアスパラが添えられていて、さらにモレル(キノコ)、そしてソースにはトリュフのバター。実は今日一番気に入ったのがこれ。グリーンは皮むきで薄くスライス、ホワイトは歯ごたえを残してこりこりと。モレルはタップリと旨味を吸い込んでいる。そこに大好きなニョッキのモチモチ。いろいろな歯ごたえが楽しめるすばらしい一品だった。これがちょうど良い量なので次の料理がとても楽しみになる。あっさり系の赤ワインと一緒に。
コース2はアラスカでとれた天然サーモン。絶妙な火の入り方で、それをオレンジホランデーソースでいただく。蒸したアスパラもホーランデーソースに合う。なんとも良く考えられた料理だ。これは甘めでリッチな白ワインで。
コース3はFlatironステーキ。Flatironは肩ロースのいちばん柔らかい部分。ミディアムレアの火の通し方がやはり絶妙。これにはスモークしたアスパラとオリーブオイルで揚げたジャガイモがそえられ、レモンのビネグレットの軽いアクセントでいただく。これはリッチだがかなり飲みやすい赤ワインとともに。
そしてデザートは驚きのホワイトアスパラでつくったムース。これは料理の鉄人ですか?というかなりユニークな一品なのだが、ムース自体はアスパラと言われても分からない。優しい甘み。ムースの土台は薄ーいチョコレートケーキでイチゴのソースがまわりに。このシェフの作るデザートはすばらしい。とにかくアメリカでは珍しい繊細な甘みで勝負するのだ。
帰りの道中もかあちゃんと料理がどれだけすばらしかったかをひたすら話していた。
待っていてくれた息子達ありがとう、大きくなったらいつか連れて行ってあげるからね。