とうちゃん亭

アメリカで暮らすとうちゃんの日記

ちょっとした災難

オフィスでコンピューターが盗まれた。会議から戻ってきたらなくなっていた。仕事のデータが全部入っているコンピューターがなくなって心の中はパニック。お客様が一緒だったので盗まれた事も黙って平静を何とか保った。
とりあえず警察に届けようと思っていた矢先にオフィスの電話があって”コンピューター盗まれませんでした?あなたのコンピューター見つけました。”という???な電話があった。なんだか怪しい。彼女は住所を教えてくれたのだが、そこはこの街で一番行ってはいけない場所。とりあえずお客様と食事に行かなければならなかったので後でまた電話する事にしてレストランへ。

お客様と私と職場での私の大先輩夫妻と4人で食事。以前トリュフづくしのコースをいただいたレストランで、この街でも1、2を争うレストラン。マリオ•ベターリというFoodTVなどで有名なニューヨークのイタリアンシェフのもとで修行したシェフが腕を振るう。
まずはホワイトトリュフの香のするクリームスープ。
そしてローストしたビーツ。ブルーチーズとナッツと一緒にいただく。
メインはローストポーク。ちょっとピンク色をした肉が甘くてジューシーでたまらなく美味しかった。肉のまわりにまぶしてあったスパイスも程よい。思わず目を閉じて自分の世界に入り込んでしまうような美味しさだった。
デザートはチーズケーキ。このチーズケーキがこれまた絶品だった。
お客様もとても喜んでくれた。

お客様をホテルに送ってオフィスに戻ったらまたそのご婦人から電話があった。今度は名前を聞いて、スターバックスで会う約束をした。念のため警察に電話して一緒に待ち合わせ場所に行ってもらった。そしたら何とも人の良さそうなご夫婦が私のコンピューターを持って現れたではないか。聞くとその街で一番行ってはいけない場所でボランティアで子供達を教えているらしい。近所の青年が私のラップトップを持って自慢しにきたので取り上げて私に連絡を取ったと言う事らしい。”盗んだもの見せびらかしにくるんだから馬鹿よねえ。”と豪快に笑い飛ばしていた。わざわざ連絡してコンピューターを返しにきてくれるとはなんていい人なんだろう。ボランティアで貧しい地域の子供達を助けようとしている人と話してみてなんだか心が動かされた。コンピューターのお礼に彼女が教えている子供達を職場に招いて私達の仕事の話をしてあげる約束をして別れた。これだけは絶対に実現させなければ。
しかし盗まれたコンピューターが戻ってくるとは本当にラッキーだった。